流れ仏陀斬って
親父がまだ警察になりたての若いころの話。

ある男が、しこたま酒を痛飲して、無謀にも車で家に帰ろうとした。
暑い夏の盛りだったんで、ネクタイを外し、窓を開けて走った。
途中、分離帯に「ガッ！」っと一瞬擦ったが、酔いも手伝ってか
気にせずに家にへと向かった。
家にたどり着き、車から降りようとしたが、右側が言うことを聞かない。
「しこたま飲んだからなぁ・・・」と左手でベルトを外し、ドアを開けて外にでた。
チャイムを鳴らして、家に入ると、家族が大声で悲鳴をあげ、110番した。

親父達がその家へと向かうと、既に救急隊員が男を搬送していた。
取り敢えず車を調べると、右側に大きく削った後がある。
家族にいつもの通勤路を聞き、その道をたどって行くと・・・



道路脇に、男の右腕が落ちていた。